かなり長文注意です。
もうじき開催されるクリエイターEXPOでの経験について書いてます。

自分は2012年の第1回目から今回まですべて出展していまして、その経験をシェアしてみたいと思います。
ブースはイラストレーター、デザイナー、アート、漫画、写真などのゾーンがあり、それぞれ違うと思うので、自分が出展しているイラストレーターについて書きます。

出展料はブース代だけで当初7万円でした。(早期割引でそれを過ぎると9万円)
今回から値上げになって8万円。(同10万円)
これにブースに展示するパネルや配布するパンフやチラシ、案内を送る郵送料等々がかかり、地方からの出展の場合は旅費・宿泊費がかかりますね。
ブース代が高いか安いかはそれぞれの考え方によると思いますが、個人的には安いと思います。
金額そのものは簡単に出せるものでは無いですが、作家を探しに来る多くの方が向こうから来てくれて、会場を使ったりブースを設置したモノを借りたりすることを総合的に考えると高くは無いと思います。
こちらから赴いて話を聞いてくれる売り込みというのはなかなか難しくなっていますが、それにかかる労力や日数・費用を考えても、決して高くは無いと思うのです。

出展して効果がどの程度あるのか?がコスパを考える上での重要事項だと思います。
3日間の出展中に仕事が「決まる」というケースはあまり聞いたことがありません。
その場で決まるのは、ゲーム関係の仕事の方には多く聞きます。

自分を含めた周りのイラストレーターだと、名刺交換やお話しをして、良い感じになったりしても正式な連絡があるのはイベント終了後というのが普通なのかなと。

では、出展したときの経験についてです。
ブースの見せ方をどのようにやってきたかを添付の写真でお見せします。

最初の2012年は、どうやって見せるのか見当もつかず、今見たら冷や汗です^^;
細かい文字を入れて画像をたくさん見せても、そもそも歩きながら探している人がいちいち読まないし、散漫になってます^^;;
どう伝えたら良いかもまとまっていませんね。
このときはイラステイナーズでも展示している方法で、画像は粘着付きスチレンボードにプリントを貼ったモノをたくさん貼り付けています。
2回目の2013年はEPSONさんに頼んで、大判プリントを作ってもらいました。
3回目も同じくです。
これは貼るのが大変;;;
腕の長い自分でも両手を広げて上に貼るのが大変。(ブース幅130cm)
しかも丸めて持って行くので紙にクセがついていて下に伸びてくれず、真っ直ぐになっているのかわかりづらい。
なので、ちょっとでも斜めになっていたら下の方で大きく斜めになってしまう。
3回目からはタペストリーにしています。

2回目はプリントの中身を少しは整理したつもりでした。
装画の実績がいくらかあったしそれをもっとやりたかったので、それがよくわかるように書籍カバーの実績をメインに見せました。
そうすると「あぁ、カバー専門なのか」と言いながら通りすぎる人が何人かいて「しまった!」でした。
イラスト年鑑や冊子になっているモノならそういう具体的な実績で見せるのが効果的ですが、EXPOの場合はやってくるお客さんが自分の抱えている案件に合う作家を探しに来ている事が多いので、あまりに具体的な実績で見せてしまうと「あ、違うな」と思われてしまうのかなと。

また、2013年の2回目では「作業迅速」とは書いていましたが「手描き」というのを前面にしていました。
1回目に出展した感じで、手描きである事が特徴として認識されるというのを感じたからです。
余談ですが、2~3回目では「手描きの味わい」と書いていました。
あるお客さんに言われて気づいたのですが「味わい」と書いてあると、CGだけど手描きの味わいという意味にも取れると。
それで次からは「手描きイラストレーター」という事にしまして、今現在自分のウリの言葉にしています。
さて、2回目の時に手描きである事を前面に出したら興味を持ってくれる方が増えました。
でも時間がかかると思われているらしいことがわかり、最終日には「手描きだけど作業は早いです」と言いながらパンフを渡していました。
すると「え、そうなの?」という反応がかなりありました。
それで4回目からは「手描きでも作業は超早い」としています(≧∇≦)
また、手描きの場合はデータ納品にどの程度対応しているのか?を心配する方も多いので「データ納品完全対応」の文面も。
これ以降はだいたいほぼこれで売り文句は決まってきました。

パンフの場合はいろいろな絵を見せることが出来ますが、ブースで目に留めてもらうには一目でわかる事が重要ですよね。
1~3回目では自分の中でも完成度の高い絵を見せるようにしていました。
普通はそのようにすると思います。
でも3回目までの、お客さんの目に留めてもらえる反応(自分や他のブースも)などを見ていると、イラストレーターゾーンではそれではちょっと違うのかなと感じました。
絵の完成度が高いというか独特の「世界観」が強く出てしまうと、クライアント側ではよほどそれにハマる案件で無いと使いにくい、もしくは「良いけどうちには違うかな」とみているのではと。
アートや絵本ゾーンだと世界観が出ている方が良いのでしょうけど。

そして、それまでに話をさせてもらった感じからすると、普通な絵を求める人が多く、自分のそういう絵に対する評価が高かった感じが。
これはEXPOに限らず通常の仕事でもそんな感じです。
それで4回目の2015年には日常風景的な光景で透明水彩画をメインにしました。
それまでは特殊技法の色鉛筆画でした。
そしたらかなり反応が良く、その絵を見て足を止めて話を聞いてくれる人がかなり増えました。
自分の描くモチーフやタッチの中でも、いろいろな案件に向きそうな感じの絵です。
(透明水彩画をメインにしたもう一つの理由は、メインのタッチを透明水彩に移行したかったからです。)

同じくEXPOに出展した友人のイラストレーターから聞いた話でも、「~~賞」で受賞したクオリティの高い作品を前面に出してもあまり足を止めてもらえなかったという事です。
通常の売り込みとは違う場なので、見せ方もどういう風に知ってもらうかなど、かなり勉強になりました。
4回目がそんな感じでうまく行ったので、5回目の2016年も同じ感じでやりました。

配布するパンフレットは、1回目はプリンターで300枚くらい用意していきました。
とにかくどれくらい配布で出来るのかさっぱりわからなかったし、どのような内容にすれば良いかもわからず。
一番奥の通路だったのですが、やはり300枚では足りず毎日帰り道に100均などで用紙を買い足しては帰ってからプリントしてました。
2回目はA4を二つ折りにしたA5サイズのチラシ。
1~2回目とも、そういうモノを作るのに慣れておらず、少ないスペースで情報を見せるのがうまくいきませんでした。
手当たり次第配っていたこともあり、ほとんど捨てられたでしょう。
3回目からはA4・8ページの冊子に。
最初は経費節約のためにB5判でデザインしましたが、B判の方が割高になる事がわかり急いでA4判に作り替えました。
印刷はA判が基本になっているためでしょう。以後A4・8ページの冊子を毎回作っています。
3日間で配布するのはだいたい800部~1000部くらい。

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ブースでのたたずまいですが、最初から気をつけていたのは「普通に話が出来る雰囲気」を大事にする事です。
イラストレーターを探しに来るお客さんはアーティストを探しに来ているのでは無く、きちんと目的の「仕事」をしてくれる作家が欲しいからです。

出展している作家さんに結構多いのですが、ブースでのワードに「仕事お待ちしています」「お仕事ください」的なアピールはかなりマイナスだなぁと感じました^^;;
これはきちんと仕事したことありませんをアピールしてると感じるので。
途中にも書きましたが、EXPOに来るお客さんは現在抱えている案件に合う作家を探しに来ている方面が多いので、そういう作家を育てようと思ってくれる人は少ないと思うし。
書くとしたら「~~ご相談ください」くらいだと思うし、そもそもEXPOの場でそういうワードは不要なのかと。

ブースでどのようにしているかですが、1~3回目では、とにかくパンフやチラシは手当たり次第に配ってました。
自分のブースから出て通路等で渡すのは規定で反則になので、座席でそのまま立ってとにかく配りまくりました。
それで3回目の時は1000部くらいは配布したのですが、無駄打ちが多かったようです。
それに具体的に話を聞いてくれる人も多くなく。
面白いのは、そうやって配る合間に休憩して座るととたんに前の席に座って話を聞こうとしてくれる人が来ることです。
それで4回目からはやたらに立って配ることはせず、基本はイスに座ったままでその態勢でちょっとでも興味を持ってくれそうな方に「どうぞ」と渡す感じに。
そもそも、当初から心がけていた「普通に話が出来る雰囲気」に反していたことをやっていたわけで^^;;;

4回目は前述のようにブースで見せる絵の選択に成功したこともあり、自分も座っていた方がお客さんも座って話そうと言う雰囲気になりました。
やはりこちらが立っていたら簡単な立ち話で終わってしまうことが多かった。
まぁ困るのはたまに変なお客さんがいて、座って余計な話ばかりして去ってくれない事もあるケースが^^;

ありがちなことですが、お客さんも座って話している時の方が、他にもその周りで興味を持ってくれる人が多いです。
そして横からパンフだけ持って行ってくれます。
自分の場合ですが、イベント後に依頼として連絡があるのは圧倒的にその様な方面です。
その場で具体的な話をしているお客さんでは無く、接客で話が出来なかったけどパンフだけ持って行ったお客さん。
面白い事に、その場で話が盛り上がって意気投合もして、当然イベント後に連絡があって話が進むだろうと思っていた方面の多くはその後音信不通になります。
なぜなんだろう?と不思議だったけど「あぁ、そうなのかな」と腑に落ちたことが。
何か具体的な案件があってピッタリな作家を探しに来て、それでこちらに目を留めてくれて「是非お願いします。また連絡します」となります。でもそういう方はおそらく会場を回っている間にもっと相応しい作家に出会うのだろうと。

ブースの机も、最初は実績の書籍などを並べていたのですが、最近は必要最低限にしています。
持って行くのが大変なのと、展示即売会ではないので話を聞いてくれる人が来たら、見せることが出来る資料があれば良い感じにしています。
机もスッキリしていた方が座って話を聞いてくれる傾向があるのがわかったのもあります。
観察していても、机のディスプレイに凝る事とお客さんが足を止めてくれることはあまり関係が無いようにも見えました。
あくまで個人的に感じたことです。

ブースで見せるのに重宝しているのはiPadminiです。
ストック作品が多いので、それをすべて入れてその場で見せるのにかなり役立ちます。
お客さんが見たいと思う作品を探し出すのにも素早く出来ますし。

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それから、仕事にはそれほど繋がっていないけど、とても良いつながりになったお客さんもかなりいます。
ほぼ毎回真っ先にブースに立ち寄ってくれたり、教科書の仕事なので仕事になるまでにはまだかなり先だけど「その時にはよろしく」といつも来てくれたり。
速攻の仕事になるつながりだけでは無く、いろいろな良い人のつながりが大事だというのはいつも感じているので、そういう点でもいつも良い成果があります。
すぐに成果が見えない事も多いですが、1回目に名刺交換したクライアント様から、4年後に連絡があったこともあります。
イマイチだと思っていた1回目でも少しでも種まきにはなっていたようです。

と、だいたいこんな感じです。
長文失礼しましたm(_ _)m

今年のクリエイターEXPOのお知らせです。
ワタクシ「いとう良一」はここのブースで出展しています。(pdf)