僭越ながら、自宅にて絵の教室なんぞもやっています(現在は新規参加受付はしておりません)

 モットーは参加者自身が楽しいと思えるようにすること。絵(希望により工作もあり)の修行に来るわけではないし、プロになるためや美大に入るために必死にがんばりにくるわけではありません。みんなあくまで趣味としてやりたいわけです。楽しくなければ意味がありません。絵を描くことが楽しくない人は、他のことをやればいいのです。誰でも自分の表現手段を持っているもので、ある人は絵だったり、文筆だったり、音楽だったり、料理だったり、その表現手段の回路が違うだけです。生きている姿そのものが素晴らしい表現になっている人だっているでしょう。

 当方に来る方で、巷の絵の教室に挫折した人や、そのようなところへ通うのをためらっている人も少なくありません。たいがいの教室では基本から入って、カリキュラムが組まれているところや、緊張して上達の道を歩むところもあるそうです。これらがどうのと言っているわけではなく、各人が自分にあったところ、自分の目的とするところを選べばいいのです。

 私の教室では、一人一人の個性や希望によってやることも違うし、最短距離で上手になることを目指しているわけではないので(希望すればそのようにしますが)、あくまでどうしたら、その人が日常で楽しめるのかを大事にしています。
 たとえば水彩画をきちんと身に付けたいという方がいたら、他のそのような教室をオススメします。油絵なんぞはほとんどやったこともないので、使い方を教えることすら出来ません。先生が厳しく、先生の言うとおりにやることを強いるところもあるようですが、受講生側がその先生の技術を求めていれば、その人にとってはそこが適しています。

 繰り返しになりますが、受講生側の目的に応じて選ぶことが大事です。短期間で上達することや、高度な技量や指導を求めるならば私のところは不適当です。だいたいロクな指導なんてしません。必要があればおちょくり半分でちゃちゃを入れますが。やり方を聞かれても、「とりあえずやってみて」と言うことがおおいな。。自分自身が受けた正式な絵の教育というのは高校までの美術の時間くらいなものなので、悪く言えば行き当たりばったりかもしれません。(実際そうだよなあ)

 そういえば、他の教室を経験した人が参加したときに驚いていたことがあります。それは「先生」つまり私が参加者の作品にはいっさい手を加えないと言うことです。たいていの教室では描いている途中に先生がちょこっと手を加えて修正したり、最後に仕上げを良くするために先生が手を入れるのが普通だそうです。自分は絵の教室というモノに参加したことも見学したこともないので、どの程度のことをやるのかはよく知りませんが。
 聞いた中で一番ひどいのは、描き終わった絵をほとんど白く塗りつぶされて、同じモチーフで先生がサラサラっと描き直してしまったとか。本人は泣きそうだったようで。(そりゃそうだろ)
 私が絶対に参加者の作品に手を加えないのは、手を加えるとそれはこちらの絵にもなってしまうからです。複数の絵描きが携わる絵というのもありますが、教室に参加する人は自分で自分の絵を描いてみたいからわざわざ来るのです。だから本当に手を加えた方がもっと良くなると思うときは、手直しの仕方を本人に教えて本人自身にやらせます。もし直した方が良いと思っても本人がそのままで気に入っていればその方が正解です。価値観はそれぞれ違うのだから、本人が自分の意思で良いと思ったのならそれが一番です。
 こちらで手を加えない方が良いと思うのは私自身の考えなので、他の指導者や参加者で違う考えの人もいて当然です。そこでは先生が手を加えることで絵が良くなり、参加者も素晴らしく上達するところだってたくさんあるでしょう。あくまでこちらの考えだと言うことを念を押しておきます。(逃げてるな( ̄ー ̄)ニヤリッ)