「絵を描きたいあなたへ」永沢まこと(講談社)

初心者、中級者、上級者、プロ、どのレベルの人にも是非オススメします。絵を描くのに、とかく技術的な側面やレベルにとらわれがちですが、本当の楽しさを思い出させてくれる本です。いつまでも初心の時の楽しさを失わない著者のピュアさ、人間性も随所にあふれています。自分の知っている中では一番の入門書です。永沢さんのすすめる描き方も解説されていますが、それ以前の絵を描くことの楽しさ、日常に加わる潤いを受け取ることが出来ます。このホームページで、本のタイトルと同じ「絵を描きたい貴方へ」をコーナータイトルに使っていますが、こういう表現しかないんです、永沢さまご勘弁を。。

「絵を描く、ちょっと人生を変えてみる」永沢まこと(講談社)

永沢氏の2002年出版の最新刊です。他にも何冊か出版されています。どれから読んでもためになります。これらの永沢氏の本は初心者はもちろん、描きなれた人やプロでもハッとしたり、初心に返ることのできる希に見る良書です。

「脳の右側で描け」B・エドワーズ(エルテ出版)

なぜ、どうしても見たとおりに描けないのかが、実に明快に説かれていて、この本の通りに実践すればまず間違いなく誰でも見たままを描けるようになるはずです。日本にこの著者がリーダーになって運営している組織があり、年に何度か著者自らワークショップもやっているようです。そのグループに、「この本に沿って教室とかやっているのだけど、問題は無いのだろうか?」と問い合わせたことがある。「著作権とかにうるさい国の人だけど、一人でも多くの人に描く楽しさを広めたいと思っているから、良いんじゃないですかね」と言っておられました。
日本でも、能力開発の分野などにはこの著者の方法は広く取り入れられている。しかし、訳者あとがきに次のように書かれている。「旧版がかなり多数の人々に読まれながら、特に美術教育の分野からの反応が意外なほど少ないのは、どういうわけだろう。 (中略) 直接かかわる美術教育の分野での黙殺に近い状態は、やはり奇異に感じられる。」
まあ、ねえ、日本のいろいろな教育分野というのはねえ、、、。どうもなかなか新しい方法というものを、、。自分でもこの方法を教室で試してみて、なんの成果も出なかったケースは見当たらない。

「デッサンの眼とことば」T・S ジェイコブス(エルテ出版)

副題が「人物をいきいき描く知覚のアプローチ」だが、その通りの内容である。人物を描く時の「見方」いわゆる、副題の通りの「知覚」の仕方の注意点が実に明快に鋭く書かれている。絵を描かない人でも、固定観念で物を見る癖を解きほぐすのに良いかもしれない。